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台湾 2026年10月20日

台湾で家を買う手順 2026:物件確認から契約・登記・引渡しまでの流れを解説

邱暐倫 邱暐倫 遠東地政士事務所 代表 台湾で家を買う手順 2026 契約から登記・引渡しまでの流れ

要点まとめ

  • 購入の流れは4段階:物件探し・登記内容の確認 → 売買契約の締結 → 地政士による税金申告・所有権移転手続 → 登記完了・引渡し
  • 契約前に最新の登記簿謄本を確認。売主の所有権、抵当権などの権利負担、土地・建物の面積と持分は必ず調べる
  • 売買代金は数回に分けて支払うのが一般的。住宅ローンが承認されなかった場合の契約解除や返金の条件も契約書で確認する
  • 代金を第三者の専用口座で管理する履約保証制度(エスクロー)の利用は任意。利用する場合は、専用口座の管理者と代金の支払条件を契約前に確認する
  • 土地増値税・契税の申告は原則として契約締結日から30日以内。法律上の納税義務者と、契約で定める最終的な費用負担者は必ずしも同じではない
  • 外国人の土地取得には地方政府の許可が必要。賃貸中の物件は、引渡し時に空室となることを売買契約書に明確に定めておく

外国人が台湾で不動産を購入する場合、取得できる不動産の種類、利用目的、必要書類、許可手続などについて、台湾人とは異なる特別なルールがあります。

また、外国人が台湾の銀行で住宅ローンを利用する場合も、居留資格、収入、自己資金などについて、金融機関ごとに審査基準があります。

これらの点については、 これまでの記事 で説明していますので、本記事では詳しく触れません。

本記事では、買主が台湾で不動産を購入するための基本的な条件を満たしており、必要に応じて住宅ローンの申請も進められることを前提として、台湾で不動産を購入する際の具体的な流れと注意点を説明します。

一、台湾で不動産を購入する基本的な流れ

台湾で不動産を購入する場合、一般的には次の4つの段階で進みます。

1.物件を探し、登記内容を確認する

中古物件を購入する場合は、まず希望するエリアを決め、その地域に詳しい不動産仲介業者へ相談するのが一般的です。

完成済みの新築物件の場合は、建設会社や販売代理会社へ直接問い合わせる方法もあります。

2.売買条件を交渉し、売買契約を締結する

購入価格が適正かどうかを判断する際には、台湾内政部の不動産取引価格検索サイト(lvr.land.moi.gov.tw)で、周辺の実際の取引価格を確認できます。

また、購入予定の土地や建物に、抵当権、地上権などの権利が設定されていないかも確認する必要があります。

3.契約締結後、地政士が所有権移転手続を進める

売買契約締結後は、通常、台湾の不動産登記専門家である「地政士」が、銀行との連絡、税金の申告、所有権移転登記などの手続を進めます。

4.所有権移転登記が完了する

必要な税金の納付、外国人による土地取得の許可、銀行との調整などが整った後、所有権移転登記が行われます。

登記が完了すると、買主が正式に不動産の所有者となります。その後、契約に従って残代金の決済や物件の引渡しを行います。

二、各手続の注意点

1.物件を探し、登記内容を確認する

物件を探す際には、価格や所在地だけでなく、購入目的、建物の種類、権利関係などを確認することが重要です。

(1)購入目的を確認する

台湾に長期的に住む予定なのか、短期間だけ使用して将来売却する予定なのかによって、選ぶべき物件や税金の負担が変わります。

特に将来売却する場合は、不動産の売却益にかかる所得税(房地合一税)に注意する必要があります。

この税金は、簡単にいえば、不動産を売却して得た利益に対して課されるもので、保有期間や税法上の居住者・非居住者の区分などによって税率が異なります。

そのため、購入前に、長期居住を目的とするのか、将来の売却も考えているのかを明確にしておくことが重要です。

(2)物件の種類を確認する

台湾の住宅には、主に次のような種類があります。

  • エレベーター付きマンション:管理体制が整っている物件も多い一方、毎月の管理費が発生することが一般的です。
  • エレベーターなしの集合住宅:比較的古い物件も多いため、建物の状態や修繕状況を確認する必要があります。
  • 戸建て:土地の権利関係、増改築の状況、道路への接道状況などを確認することが重要です。

購入目的や予算に応じて、適切な物件を選ぶことが大切です。

(3)土地と建物の権利関係を確認する

台湾では、土地と建物はそれぞれ独立した不動産として扱われ、別々に登記されます。

そのため、マンションを購入する場合でも、建物の所有権だけでなく、土地の持分についても確認する必要があります。

契約前には、土地及び建物の権利証に加えて、最新の登記簿謄本を確認することが重要です。

登記簿謄本では、所有者、土地・建物の面積、持分、抵当権などの権利関係を確認できます。

また、台湾のマンションでは、広告上の面積に、実際の居住部分だけでなく、バルコニーなどの付属部分や共用部分の持分が含まれる場合があります。

そのため、広告に表示された面積だけで判断せず、実際に使用できる室内面積も確認しましょう。

(4)物件が賃貸中かどうかを確認する

購入予定の物件が賃貸中の場合は、現在の賃貸借契約の内容、借主の退去予定日、敷金の引継ぎなどを確認する必要があります。

台湾では、一定の条件を満たす賃貸借契約は、物件の所有者が変わっても原則として継続します。

そのため、自分で住む予定がある場合は、引渡し時に空室となることを売買契約書に明確に定めておくことが重要です。

2.売買条件を交渉し、売買契約を締結する

購入したい物件が決まったら、売主又は仲介業者と売買価格、支払方法、引渡日などについて交渉し、売買契約を締結します。

契約締結前には、次の点を特に確認しましょう。

(1)契約時は地政士に確認してもらう

台湾で不動産を購入する場合は、売買契約の段階から地政士に協力を依頼することをおすすめします。

地政士は、不動産登記、税金の申告、所有権移転手続などを扱う台湾の専門家で、日本の司法書士に近い役割を持ちます。

契約締結前に登記内容や契約条件を確認してもらうことで、後日のトラブルを防ぎやすくなります。

(2)売主が本当に所有者か確認する

契約前には、土地及び建物の最新の登記簿謄本を取得し、登記上の所有者と売主が一致しているかを確認する必要があります。

また、代理人が契約する場合は、有効な委任状があり、必要な代理権が与えられているかも確認しましょう。

(3)抵当権・地上権などの権利負担を確認する

購入予定の土地や建物には、抵当権、地上権などの第三者の権利が設定されている場合があります。また、差押えなどにより、処分が制限されている場合もあります。

特に、売主が住宅ローンを利用している場合は、銀行の抵当権が設定されていることがあります。

その場合、売買契約書には、既存の抵当権をいつ、どのように抹消するのか、売買代金の支払いとどのように調整するのかを明確に記載することが重要です。

なお、契約前には、抵当権などの権利関係だけでなく、建物の現況や不具合についても確認しておくことをおすすめします。

(4)売買代金の支払時期を確認する

台湾の不動産売買では、売買代金を数回に分けて支払うことが一般的です。

例えば、次のような支払段階があります。

  • 契約時の支払い:売買契約を締結する際に支払う代金
  • 書類準備時の支払い:所有権移転に必要な書類を準備する段階で支払う代金
  • 税金の納付段階での支払い:税金の申告・納付時期に合わせて支払う代金
  • 最終決済時の支払い:登記や引渡しの進捗に応じて支払う残代金

ただし、支払回数や金額、時期は契約によって異なります。

契約書では、各支払金額、支払期限、支払先、支払いが遅れた場合の取扱いなどを明確にしておく必要があります。

また、住宅ローンを利用する場合は、融資が承認されなかった場合の契約解除や、すでに支払った代金の返還についても、契約書で確認しておくことが重要です。

住宅ローンの詳しい条件については、 これまでの住宅ローンに関する記事 をご参照ください。

(5)履約保証制度を利用するか確認する

台湾の不動産売買では、買主が支払う代金を第三者の専用口座で一時的に管理する、売買代金のエスクロー制度(履約保証制度)が利用されることがあります。

この制度を利用する場合、買主が支払った代金は、原則として専用口座に保管されます。

その後、所有権移転登記や物件の引渡しなどの進捗に応じて、契約で定められた条件に従い、売主への支払いや売主の既存ローンの返済などに充てられます。

この制度は、登記完了前に買主の代金が売主へ直接渡されるリスクを軽減するための仕組みです。

ただし、制度の利用は必須ではなく、手数料の負担や代金の支払条件も契約によって異なります。

そのため、利用する場合は、専用口座の管理者、入金方法、代金の支払条件などを契約前に確認することが重要です。

3.契約締結後、地政士が所有権移転手続を進める

売買契約締結後は、通常、地政士が必要書類の準備、税金の申告、銀行との連絡、所有権移転登記などの手続を進めます。

(1)税金の申告を行う

不動産売買では、主に土地増値税、契税、印紙税などが問題となります。

一般的な売買の場合、土地増値税に関する土地の移転価格の申告及び契税の申告は、原則として契約締結日から30日以内に行う必要があります。

地政士に依頼している場合は、通常、地政士が必要書類を整理し、これらの税金の申告手続を代理します。

税金の種類や計算方法については、 これまでの税金及び登記手数料に関する記事 をご参照ください。

(2)銀行と連絡し、住宅ローンの手続を調整する

買主が住宅ローンを利用する場合、地政士は必要に応じて銀行と連絡を取り、所有権移転登記、抵当権設定登記及び融資実行の日程を調整します。

また、売主側に既存の住宅ローンがある場合は、売主側の銀行とも連絡し、既存抵当権の抹消手続を調整することがあります。

ただし、住宅ローンを承認するかどうかは銀行が判断するため、買主自身も必要な審査書類を準備する必要があります。

(3)税金を納付する

税金の申告後、土地増値税や契税については、税務機関から納税通知書が発行されます。

地政士は、その通知書などを売主又は買主に渡し、納付手続を案内します。

なお、法律上の納税義務者と、売買契約で定める最終的な費用負担者は、必ずしも同じとは限りません。

そのため、契約締結時に、どの税金を誰が負担するのかを明確にしておく必要があります。

(4)所有権移転登記を申請する

必要な税金の納付、書類の準備などが整った後、地政士が不動産登記所に所有権移転登記を申請します。

なお、外国人が台湾で土地を取得する場合は、購入に必要な基本的条件を満たしているだけでなく、対象不動産について法令上必要な地方政府の取得許可を受ける必要があります。

住宅ローンを利用する場合は、銀行との調整のうえ、抵当権設定登記も行われます。

所有権移転登記が完了すると、登記上の所有者は売主から買主へ変更され、買主が所有権を取得します。

4.所有権移転登記完了後の引渡し

所有権移転登記や必要な銀行手続などが完了した後、契約に従って残代金の決済及び物件の引渡しを行います。

履約保証制度を利用している場合は、契約で定められた条件に従い、専用口座から売主への代金支払いなどが行われます。

物件の引渡し時には、主に次の事項を確認しましょう。

  • 鍵の引渡し
  • 水道・電気・ガス料金の精算
  • マンション管理費の精算
  • 建物や設備の現況確認
  • 家具・設備・駐車場の引継ぎ
  • 管理会社への所有者変更通知

また、購入後は、建物や土地にかかる毎年の税金である房屋税・地価税のほか、管理費や修繕費などが発生します。

そのため、売買した年度の税金や費用を、売主と買主の間でどのように精算するかについても確認しておくことが重要です。

よくある質問(FAQ)

台湾の「地政士」とは、何をする専門家ですか?

地政士は、不動産登記、税金の申告、所有権移転手続などを扱う台湾の専門家で、日本の司法書士に近い役割を持ちます。台湾では、売買契約締結後の税金申告や所有権移転登記を地政士が代理することが一般的です。契約締結前の段階から協力を依頼し、登記内容や契約条件を確認してもらうことで、後日のトラブルを防ぎやすくなります。

売買代金は一括で支払いますか?

いいえ、台湾の不動産売買では、売買代金を数回に分けて支払うことが一般的です。契約時、書類準備時、税金の納付段階、最終決済時といった支払段階がありますが、回数や金額、時期は契約によって異なります。契約書では各支払金額、支払期限、支払先、遅延時の取扱いを明確にし、住宅ローンを利用する場合は、融資が承認されなかった場合の契約解除や既払代金の返還についても確認しておくことが重要です。

履約保証制度(エスクロー)は必ず利用するのですか?

いいえ、利用は必須ではありません。履約保証制度は、買主が支払う代金を第三者の専用口座で一時的に管理し、登記や引渡しの進捗に応じて売主への支払いなどに充てる仕組みで、登記完了前に代金が売主へ直接渡されるリスクを軽減できます。ただし手数料の負担や支払条件は契約によって異なるため、利用する場合は専用口座の管理者、入金方法、代金の支払条件を契約前に確認することが重要です。

契約前に最低限確認すべきことは何ですか?

土地及び建物の最新の登記簿謄本を取得し、登記上の所有者と売主が一致しているか、抵当権・地上権・差押えなどの権利負担がないか、土地・建物の面積と持分を確認します。広告上の面積には共用部分の持分などが含まれる場合があるため、実際に使用できる室内面積も確認しましょう。物件が賃貸中の場合は、賃貸借契約の内容と、引渡し時に空室となることを売買契約書に明確に定めることが重要です。

税金の申告はいつまでに行う必要がありますか?

一般的な売買の場合、土地増値税に関する土地の移転価格の申告及び契税の申告は、原則として契約締結日から30日以内に行う必要があります。地政士に依頼している場合は、通常、地政士がこれらの申告手続を代理します。なお、法律上の納税義務者と売買契約で定める最終的な費用負担者は必ずしも同じではないため、どの税金を誰が負担するのかを契約締結時に明確にしておきましょう。

購入した物件に借主が住んでいる場合はどうなりますか?

台湾では、一定の条件を満たす賃貸借契約は、物件の所有者が変わっても原則として継続します。そのため、賃貸中の物件を購入する場合は、現在の賃貸借契約の内容、借主の退去予定日、敷金の引継ぎなどを確認する必要があります。自分で住む予定がある場合は、引渡し時に空室となることを売買契約書に明確に定めておくことが重要です。

まとめ

台湾で不動産を購入する際の基本的な流れは、物件確認、売買契約、税金の申告・納付、所有権移転登記、物件の引渡しです。

契約前には、土地及び建物の最新の登記簿謄本を確認し、売主の所有権、抵当権などの権利負担、建物面積、賃貸借契約の有無などを調べることが重要です。

また、売買契約書では、代金の支払時期、履約保証制度の利用、既存抵当権の処理、税金及び登記費用の負担、引渡日などを明確にしておく必要があります。

台湾では、契約締結後の税金申告や所有権移転登記を地政士が代理することが一般的ですが、買主自身も契約内容や支払条件を十分に理解しておくことが大切です。

日本人が台湾で不動産を購入する場合は、台湾の登記制度や売買実務に詳しい専門家へ事前に相談することで、取引上のリスクを減らし、手続を円滑に進めることができます。

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※本記事は、2026年10月時点の法令及び公表資料を基準として、台湾不動産購入の一般的な流れを説明するものです。実際の手続、必要書類、審査期間、税金、費用及び支払方法は、物件の状況、契約内容、買主の国籍、金融機関及び各主管機関の判断によって異なります。

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関連分野: 不動産・土地