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台湾 2026年7月8日

日本人は台湾で不動産を購入できる?外国人の取得条件・登記手続き・注意点を解説【2026】

邱暐倫 邱暐倫 遠東地政士事務所 代表 日本人は台湾で不動産を購入できる?外国人の取得条件・登記手続き・注意点を解説【2026】

台湾への移住や長期滞在、不動産投資などを検討している方の中には、「日本人は台湾で不動産を購入できるのか」「外国人が台湾でマンションを購入する場合、どのような条件があるのか」と疑問をお持ちの方も多いでしょう。

結論からいうと、日本人は、原則として台湾で住宅やマンションなどの不動産を購入することができます。 ただし、これは、日本人が台湾にあるすべての土地を、どのような目的でも自由に取得できるという意味ではありません。外国人による台湾の不動産取得には、取得できる土地の種類、利用目的、行政手続及び所有権移転登記に関する制限があります。

要点まとめ

  • 原則購入可・ただし制限あり:日本人は原則として台湾で不動産を購入できますが、取得できる土地や利用目的には制限があります。
  • 相互主義が前提(土地法第18条):日本でも台湾人に同等の権利が認められているため取得可能(相互主義)。
  • 契約だけでは所有権は移らない:売買契約の締結だけでは所有権は移転せず、行政機関の許可(土地法第20条)と移転登記が必要。
  • 不動産購入で在留資格は得られない:台湾の不動産を購入しても、それだけではビザ・在留資格は取得できません。

日本人は原則として台湾で不動産を購入できる(ただし取得できる土地と利用目的には制限がある)

外国人による台湾の不動産取得については、主に次の条件を確認する必要があります。

  • 相互主義の条件を満たしていること(土地法第18条)
  • 外国人による取得が認められた利用目的であること(土地法第19条)
  • 外国人への譲渡が禁止されている土地に該当しないこと(土地法第17条)
  • 所定の行政手続及び所有権移転登記を行うこと(土地法第20条)

相互主義の条件(土地法第18条)

台湾の土地法第18条では、外国人が台湾で土地に関する権利を取得し、又は設定するためには、条約又は当該外国人の本国法により、台湾人もその国で同様の権利を享有できることが必要とされています。これは、一般に「相互主義」と呼ばれる考え方です。

簡単にいうと、台湾人が相手国で不動産を取得できる場合、その国の国民についても、台湾で同様の不動産を取得することを認めるという考え方です。日本では台湾人による不動産取得が認められているため、日本人も、台湾の法令に従い、台湾で不動産を取得することができます。

もっとも、相互主義の条件を満たしているだけで、あらゆる土地を自由に取得できるわけではありません。実際に購入できるかどうかは、土地の種類、利用目的、土地利用規制及び行政機関による審査によって判断されます。

外国人が不動産を取得できる利用目的(土地法第19条)

台湾の土地法第19条では、外国人が自己使用、投資又は公益を目的として取得できる土地の用途として、主に次のものが定められています。

  • 住宅
  • 営業所
  • 事務所
  • 店舗
  • 工場
  • 教会
  • 病院
  • 外国人児童・生徒のための学校
  • 大使館・領事館その他これらに類する施設
  • 公益団体の会館
  • 墓地
  • 主管官庁の許可を受けた投資用地(台湾の重要な建設事業、経済全体又は農業・畜産業に寄与するもの)

日本人が自分で居住するために台湾のマンションや住宅を購入する場合は、通常、「住宅」の利用目的に該当します。また、日本人が適法に取得した住宅やマンションを第三者に賃貸し、賃料収入を得ることも、原則として可能です。

台湾の土地法には、外国人が住宅として適法に取得した不動産について、必ず所有者本人が居住しなければならないとの一般的な規定はありません。そのため、土地利用規制、登記上の建物用途、マンションの管理規約及び賃貸住宅に関する法令に反しない限り、購入した住宅を第三者に長期賃貸することは原則として可能です。

ただし、住宅として取得した不動産であっても、購入前には、少なくとも次の事項を確認する必要があります。

  • 土地の利用区分
  • 用途地域その他の土地利用規制
  • 登記上の建物用途
  • 建物使用許可証の内容
  • マンションの管理規約
  • 外国人による土地取得申請の内容
  • 購入後に予定している実際の使用方法

一般的な住宅賃貸ではなく、宿泊日数単位の短期貸しや宿泊施設として営業する場合は、旅館業又は民宿営業に関する許可が必要となる可能性があります。

外国人が取得できない土地もある(土地法第17条)

前述のとおり、日本人による台湾不動産の取得は原則として認められています。しかし、台湾の土地法上、外国人が取得することのできない土地もあります。台湾の土地法第17条では、原則として外国人に譲渡し、担保権その他の権利を設定し、又は賃貸することができない土地として、次のような土地が定められています。

  • 林地
  • 漁業用地
  • 狩猟地
  • 塩業用地
  • 鉱業用地
  • 水源地
  • 要塞・軍事施設区域の土地
  • 国境地域の土地

通常の市街地にある住宅用マンションや一般住宅については、これらの制限に該当しないことが多いですが、物件の名称や外観だけで判断することはできません。購入前に、土地の地目、土地利用区分、登記内容及び法令上の制限を確認する必要があります。つまり、一般的な住宅やマンションであれば取得できる可能性が高い一方、土地の種類によっては、外国人による取得そのものが禁止されています。

外国人による不動産取得には行政機関の許可が必要(土地法第20条)

台湾の土地法第20条により、外国人が第19条に基づいて台湾の土地を取得する場合、原則として関係書類を提出し、土地所在地を管轄する直轄市又は県・市政府の許可を受ける必要があります。実際の手続では、土地所在地を管轄する土地登記機関に申請書類を提出し、当該機関から管轄する直轄市又は県・市政府に送付され、土地法第17条から第20条までの規定に基づく審査が行われます。

台湾の土地法第20条では、申請を受理した行政機関は、原則として受理後14日以内に許可又は不許可の決定をするものとされています。ただし、次のような事情がある場合は、追加書類の提出や補正を求められることがあります。

  • 相互主義を証明する資料が必要な場合
  • 申請書類に不足がある場合
  • 土地又は建物の用途を確認する必要がある場合
  • 取得目的について追加説明が必要な場合

取得後に土地の用途を変更する場合や、相続以外の理由により他人に譲渡する場合についても、土地法第20条に基づく手続が問題となることがあります。

売買契約を締結しただけでは所有権移転の効力は生じない

台湾では、不動産売買契約を締結しただけでは、不動産の所有権移転の効力は生じません。台湾民法第758条によれば、法律行為によって不動産に関する物権を取得し、設定し、喪失し、又は変更する場合、登記をしなければその効力は生じません。したがって、売買契約を締結した後、土地及び建物について所有権移転登記をする必要があります。

台湾で不動産を購入する際の一般的な流れは、次のとおりです。

  • ① 購入する物件の権利関係を確認する
  • ② 売買契約を締結する
  • ③ 外国人による土地取得の許可を申請する
  • ④ 税金及び必要費用を納付する
  • ⑤ 土地及び建物の所有権移転登記を申請する
  • ⑥ 登記完了後、物件の引渡しを受ける

以上の手続がすべて完了するまでには、通常、約2か月から3か月程度を要しますが、書類の補正、追加審査、関係書類の認証その他の事情を考慮すると、余裕をもって最長6か月程度を見込んでおくと安心です。

契約前には、特に次の事項を確認することが重要です。

  • 抵当権
  • 差押え
  • 第三者の権利
  • 賃借権
  • 違法な増築部分
  • 登記面積と実際の使用状況
  • 管理費その他の未払金
  • 土地及び建物の利用制限

購入時点ですでに賃借人がいる物件については、既存の賃貸借契約の内容、賃貸借期間、敷金又は保証金、賃料の支払状況及び物件の引渡条件についても確認する必要があります。

所有権移転登記に必要となる主な書類

外国人が台湾で不動産の所有権移転登記を申請する場合、一般的には次のような書類が必要となります。

  • 買主のパスポート又は台湾の居留証
  • 土地登記申請書
  • 不動産売買契約書
  • 外国人による土地取得の許可に関する書類
  • 売主が提出する土地及び建物の権利証
  • 契税・土地増値税その他の税金に関する証明書類
  • 代理人に手続を委任する場合の委任状
  • その他、土地登記機関が求める書類

契税」は、台湾において建物の売買などに伴い課される税金です。「土地増値税」は、台湾における土地の値上がり益に関する税金であり、通常は売主側の申告及び負担が問題となります。

日本に居住したまま台湾不動産の購入手続を行う場合は、台湾の 地政士 などの専門家に手続を委任することもできます。台湾の地政士は、日本の司法書士と完全に同一の制度ではありませんが、不動産の権利関係の確認、所有権移転登記、抵当権設定登記などを取り扱う専門資格者です。

日本で作成した委任状や身分証明書類については、手続の内容に応じて、台北駐日経済文化代表処などによる文書証明及び中国語訳文の提出が必要となる場合があります。

台湾の不動産を購入しても在留資格は取得できない

台湾でマンションや住宅を購入しただけで、台湾の居留ビザ、永久居留資格又は国籍を取得できるわけではありません。不動産の所有権と、台湾に滞在するための在留資格は別の制度です。 台湾への移住を検討している場合は、不動産購入とは別に、就労、投資、家族関係その他の要件に基づく居留資格を確認する必要があります。

また、台湾に居住していない日本人であっても、台湾の不動産を所有し、当該不動産を第三者に賃貸することは原則として可能です。ただし、台湾国外から不動産を所有又は賃貸する場合は、次のような実務上の対応が必要になります。

  • 賃貸借契約の締結及び更新
  • 賃料の受領
  • 所得税の源泉徴収又は納付
  • 建物の修繕
  • 賃借人との連絡
  • 管理費その他の費用の支払

必要に応じて、台湾の管理会社、代理人、税務専門家又は地政士に管理を委任することが考えられます。

まとめ

日本人は、台湾の土地法に定める相互主義の条件を満たすため、原則として台湾で住宅やマンションなどの不動産を購入することができます。ただし、取得できる土地の種類、利用目的、行政手続及び所有権移転登記には制限があります。また、適法に取得した住宅やマンションについては、自分で居住するだけでなく、第三者に賃貸して賃料収入を得ることも原則として可能です。

台湾で不動産を購入する際は、物件を決定する前に、次の事項を確認することが重要です。

  • 外国人が取得できない土地に該当しないか
  • 住宅など、外国人に認められた利用目的に該当するか
  • 土地利用区分及び登記上の建物用途が実際の使用方法に適合しているか
  • 外国人による土地取得について行政機関の許可を受けられるか
  • 抵当権、差押え又は第三者の権利が設定されていないか
  • 売買契約締結後に所有権移転登記を完了できるか
  • 日本で作成した委任状や証明書類について文書証明が必要か
  • 賃貸する場合、賃料収入に関する所得税を適切に納付しているか
  • 短期貸し又は宿泊施設として使用する場合、別途許可が必要ではないか

物件の種類、所在地、購入目的、賃貸方法及び買主の身分によって、必要な手続や税務上の取扱いが異なる場合があります。台湾での不動産購入をご検討の際は、台湾の地政士・弁護士など専門家へのご相談をおすすめします。

よくある質問(FAQ)

日本人は台湾で不動産を購入できますか?

はい。台湾の土地法は相互主義(第18条)を採用しており、日本では台湾人の不動産取得が認められているため、日本人も原則として台湾で住宅やマンションなどを購入できます。ただし、取得できる土地の種類・利用目的・行政許可・所有権移転登記に制限があります。

外国人が台湾で取得できない土地はありますか?

あります。土地法第17条により、林地、漁業用地、狩猟地、塩業用地、鉱業用地、水源地、要塞・軍事区域、国境地域の土地などは、原則として外国人への譲渡・権利設定・賃貸ができません。一般の市街地の住宅・マンションは該当しないことが多いですが、購入前に地目や登記内容の確認が必要です。

台湾の不動産を購入すれば在留資格(ビザ)は取得できますか?

いいえ。不動産の所有権と在留資格は別制度です。マンションや住宅を購入しても、居留ビザ・永久居留・国籍は得られません。移住には、就労・投資・家族関係などに基づく居留資格を別途確認する必要があります。

購入した台湾の住宅を賃貸に出せますか?

原則として可能です。適法に取得した住宅は、所有者本人が居住しなくても、土地利用規制・登記上の建物用途・管理規約・賃貸関連法令に反しない限り、第三者に賃貸できます。ただし、宿泊日数単位の短期貸しや宿泊施設としての営業は、旅館業・民宿営業の許可が必要になる場合があります。

台湾で不動産を購入する手続きにはどのくらい時間がかかりますか?

権利関係の確認、売買契約、外国人の土地取得許可、税金の納付、所有権移転登記、引渡しまで、通常は約2〜3か月です。書類の補正や追加審査、文書認証などを考慮すると、最長6か月程度をみておくと安心です。

日本に居住したまま台湾の不動産を購入できますか?

できます。台湾の地政士などの専門家に手続を委任できます。日本で作成した委任状・身分証明書類は、台北駐日経済文化代表処による文書証明や中国語訳文の提出が必要になる場合があります。